最近のTOPIC PAGE-2


このページでは、TOPIC PAGE の中から、会員以外の皆様方に向けて、記事を一部抜粋してご紹介します。

Gallery より

杉山泰周さんが撮影された
写真を紹介します。

  「イイジマフクロウニヤドリニナ」


 関連記事:AUNJ-BBS  
 撮影日 2002年6月8日
 撮影地 大瀬崎
 水深 32m
 水温 17℃
 器材 ニコンF90
 撮影状況:イイジマフクロウウニヤドリニナに卵らし きものがついていたので、とりあえず撮ってみた。
 よく見るニナから卵らしきものに白いもので繋がって いる・・・・。

道羅英夫さんが撮影された
写真を紹介します。
  「サクラテンジクダイの口内保育」
 


撮影場所:静岡県賀茂郡松崎町雲見
(ポイント名 牛着岩)
撮影日時:2002年8月11日13時13分
体  長:5cm
水  深:9m
水  温:22℃
撮影機材:C-3040ZOOM(オリンパス)、防水プロテクタPT-010
コメント:雲見牛着岩の大牛の洞窟と呼ばれているかなり大きな洞窟内でサクラテンジクダイの口内保育が観察できました。夜行性で昼間は洞窟の奥や岩の亀裂の中に隠れているため、ダイバーに観察されることは少ないようです。雲見では必ず見られる洞窟がありますが、僕はそこ以外で見たことはありません。
これまで何度かそのポイントでサクラテンジクダイを見たことはあったのですが、今回初めて口内保育を観察できたので、珍しいのではないかと思ったわけです。確かに「日本の海水魚」には単独と記載されていますね。しかし今回の場合、洞窟の一番奥の岩の亀裂の中に5〜6匹が群れていて、その中の1匹が口内保育を行っていました。他の個体がオスなのかメスなのかは識別できませんでした。

伊豆で活動されている飯塚 広夫さんが撮影された
写真を紹介します。

 「痛い!」

 関連記事:AUNJ-BBS 856
 撮影日  2002年5月7日
 撮影地  伊豆海洋公園
 水深   20m
 水温   19℃
 器材   オリンパスC3030ZOOM


あれっ変なカスザメがいる。いつもの平べったい奴と形が違う。
お腹がふくれて砂に潜れずにいるのだ。
よく見ると、大きな口をぽっかり開けています。
噛まれるとやだなと思いつつ、おそるおそる近付いて見ると
口の中になにか見えます。ライトを照らしてみると、
なんとそこには・・・

ハリセンボンは完全に膨らんだ状態でトゲがカスザメの口の中に
突き刺さっているようです。

そのまま深い方へ泳ぎ去ってしまいましたが、
果たして、このあとどうなったのでしょうか??

DIVING LOG-BOOK より

ログブックー初めての伊豆
 余吾 豊

 7/20(土)にモイヤーさんの三宅島来島50周年記念パーティに出席する為、上京しました。折角ですから、未だ、潜ったことのない伊豆に行ってみようと思い立ち、会員の瓜生さんに相談して、アレンジしていただきました。僅か2本だけのダイヴィングでしたが、とても印象が強く、色々な方達とも出会えたので、少し紹介します。

 7月18日、羽田から京急で横浜へ、ついでJRで東海道線を下りました。時間はたっぷりありましたから、普通を乗り継ぎながら、伊豆急の城ヶ崎海岸駅までのんびりと。途中、真鶴、早川、熱海、宇佐見、伊東、川奈、富戸など、聞き覚えのある駅名を見ながら、地図と合わせて「ここだったのかー」と思いました。

 城ヶ崎海岸駅には、瓜生さんが迎えに来て下さいました。電話では何度かお話ししていましたが、初対面。それから、益田 一先生のお宅に伺いました。懐かしい昔話や魚の話などしていると、そこに峯水 亮さんと鈴木敬宇さんが偶然、遊びに来られ、これまた、初対面でした。益田先生が、「揃ったから、飯でも食うか」と仰り、おしゃれなイタリヤ料理店でごちそうになりました。

 翌日、瓜生さんのショップへ。ここで、池谷さん、大平さん、原さん、山本(敏)さん夫妻にお会いしました。初対面ですが、自己紹介は必要なしで、メールのありがたさかな。

 早速、伊豆海洋公園へ。台風の後で、濁りが残っているとのことでしたが、海は穏やかででした。僕が伊豆へ来た理由の一つは、どんな海かということもありますが、一体どのようなシステムでダイヴァーが利用しているのかと言う点が大きかったのです。九州では、殆どの海は、ダイヴァーには開放されていません。ですから、そこに深い関心を持っていました。

 うまくできているなと感心しました。それから、利用者のマナーが良いなと感じました。直ぐに会釈を返してくれるし、整然としているし、使いやすいなとも思いました。長い時間をかけてのことなのでしょうが、素晴らしいものに感じました。うるさいマイク放送がないのも良かったですね。休日の混雑するときもそうなのでしょうか?誰も耳を貸さない放送はない方が良いですね。

 潜ったときに最初に見かける魚は、ニシキベラかメジナと想像していましたが、それは今年産まれたウミタナゴでした。それから、テングサ類やホンダワラ(凋落仕かけのトゲモクが多かった)、アントクメの群落が拡がりました。魚は九州の長崎の海と似ていましたね。しかし、長崎に比べると、イソギンチャクやヤギ、トサカ類は少なくイシサンゴも少ない。水温の関係でしょうか?割と海底の勾配は急で、岩盤の沖だし幅が狭いので、ダイヴァーの観察や訓練には良い条件だなと思いました。

 この日は最高21℃、最低19℃で、寒かったです。
 気になっていたスズメダイ類の産卵基質は、スズメダイが岩肌とアントクメに、マツバスズメダイが巨礫に、セダカスズメダイが岩肌に産んでいました。あるセダカのオスは4クラッチを守っており、左回りになっていました。これを見ながら、皆で数えたり、方向を確認したりしました。マツバスズメは水深20m以深でしたか?深いなと思いました。これも表層水温が低いせいでしょうか?

卵を守るセダカ 山本 敏さん撮影

 この日の1本目は、キタマクラの産卵を狙っていました。あるペアを見ていましたが、メスが海藻の一カ所を突ついているのは観察できました。しかし、どうもオスは未だと見ている様子で、あきらめました。帰り際に、別のペアを見つけ、これが産卵しました。エアの残りは少なく、とてもラッキーでした。3台のビデオと、2台のカメラに収まったと思います。山本さんの写真を掲載していますが、右の大きい方がオスで、オスの右側にあふれ出た白い卵が見えるでしょ。不思議です。照明の影響でこのように白くなるものなのでしょうか?

放卵、放精中のキタマクラのペア 山本 敏さん撮影


放卵、放精中のキタマクラのペア 原 多加志さん撮影
(上と同じ場面です)

 キタマクラの産卵には、謎が多く、未だすっきりしません。これは、また後で整理してみましょう。1本目が終わり、昼飯を食う時に府川さんが訪れました。みんなで一緒にお弁当を食べました。美味しかったなあ。
 2本目は、ベラの産卵を見ようということで潜りました。オトヒメベラ、オハグロベラ、カミナリベラ、ホンベラ、スジベラ等が怪しい動きをしていました。
 産卵自体は観察できませんでしたが、ベラ類の求愛を見たり、アミメハギの幼魚、ヤマドリ、サツマカサゴなどをそれぞれ見ていました。僕は、オトヒメベラのハレムの分布を見るために、中層から下を俯瞰して見ました。そうすると実によく分かります。相当に緊密なハレムが並んでおり、アブレオスも居ました。それから、シラコダイをクリーニングしているネンブツダイ、請求行動を虚しくやっているブダイをホホーと思いながら見ていました。何か手がかりがあれば、観察は次から次に進むものですね。その手がかりが大事ですね。

 2本目では、最後の方で皆さんとはぐれてしまい、先に上がりましたが、クロホシイチモチの産卵が観察できたと聞きました。エントリーする場所に眼鏡置き場と水道があるのはとても便利ですね。脱着場で川口(旧姓)直美さんとお会いしました。以前に、「モイヤーさんの70歳誕生パーティ」でお会いしました。それから、鈴木敬宇さんとも再会。


記念撮影 前列左から池谷、山本さん、
後列左から松木、瓜生、僕、原、府川、山本、大平さん

 その日は、夜遅くまで、ビールを飲みながら魚の話で盛り上がりました。
 最後は、瓜生さんが準備している本の原稿を見せていただき、出版が待ち遠しいなと感じました。皆さん、有り難うございました。本当に良い旅になりました。

ログブックー薩南諸島
 坂井陽一・余吾 豊

5月27日より広島大の坂井陽一さんと屋久島、口之永部島へ行って来ました。

鹿児島新港より乗船。宮之浦港まで4時間。18時に宮之浦港に到着。予約してあった民宿「八重岳」に入る。さっと湯を浴びて、外をぶらぶらしていると、すぐ近くに、明日からお世話になる「屋久島野外活動総合センター」の建物がある。覗いてみると、若い女性が出てくる。会員の浜崎宏美さんだった。5分ほど話して、「では、明日の朝、9時過ぎに」と言うことで、宿に戻り食事。

トビウオの卵巣、カツオとアオリイカの刺身、トビウオのすり身の「付け揚げ」、タケノコと豚の脂身の煮物、サワラの焼き物など。生ビールと島焼酎「三岳」で乾杯。良い気分で、10時前には就寝。

翌朝、屋久島野外活動センターの代表の松本毅さんとお会いし、こちらの目的を説明して、屋久島のダイヴィングポイントの概要を教えていただいた。この会社は、ダイヴィング、登山、ハイキング、沢登り、川や海でのカヤック、カヌー等の体験ガイドをしている。それから、志戸子という、浜崎さんのコブシメポイントに行き、岸からエントリー。

目的のゴンベ類は、サラサゴンベ2尾だけに終わったけど、色々面白い魚に会えたし、圧巻はコブシメとの遭遇。約25尾は居た。目の前で恋のバトルを繰り広げ、僕達が喜んでいるので、浜崎さんも嬉しそうだった。午後は、矢筈岬の元浦と言うところで潜った。潜った後は、滝川という温泉で潮を洗い流し、ビールを飲んだ。



【写真1 コブシメ】

片づけて宿に戻り、ご主人と話していると、「車で7,8分のロッジが空いて居ますから移りますか?」というので、是非と言うことで移動。宮之浦川の支流沿いで、杉と木生シダ類に囲まれた感じのいいロッジ。別棟に五右衛門風呂もあり、静かなこと。

翌29日は原と栗生と言うところで潜水、30日の午前は一湊と、計5回、全て違う場所で潜った。どこで潜っても、近くに温泉があるので、快適。一周2時間ほどの島だから、風が強くても、どこかに潜れる。川は沢山あるけれども、雨の濁りは出にくい様子。宮之浦川や栗生川を覗いてみると、川底が透け、周囲の緑が写り込み、とても、綺麗だった。


【写真2 栗生川】

30日の午後は、白谷雲水峡という沢沿いのハイキングコースを3キロほど歩いた。2代杉、弥生杉という樹齢3千年くらいの杉や、花が散った後のサクラツツジ、倒木を覆うコケ等、緑色の世界に浸って歩き、その中に所々、幹が赤いヒメシャラの老木が鮮やかだった。花の盛期は過ぎていたが、静かで、落ち着いていた。


【写真3 いなか浜】

31日は午前中に片づけ、ウミガメの産卵地で有名ないなか浜へ行った。ここから正面に口永良部島が見える。砂浜を歩いていると、白く丸まった塩化ビニールのようなものを拾った。薄くて弾力があり、どうやら、ウミガメの卵の殻らしい。

屋久島の宮之浦港からは、毎日、口永良部島と種子島へフェリーが出ている。13:10の船で口永良部島に渡った。前回は81年5月に広島大学の研究船で訪れたので、20年振り。屋久島からは約1時間半の航路。途中、トビウオ達が、波と音に驚いて、飛んで逃げる。港が大きくなり、船も大型化していた。この島は活火山。

島であばら屋を借りて研究している広島大学生が2人、迎えに来てくれた。船が着く南側の本村港から細い上り坂を登ると、北側の西浦が拡がる。かって、75年から81年まで、僕のフィールドの一つだった湾だ。そこから、東に向かうと、知人の家があった。

夕方になり、知人や坂井さんとベランダに座り、硫黄島を見ながら、ゆったりと酒を飲み始んで話した。次の日は、島の西端に近い亀が浦という場所に潜りに行った。海岸の崖の上にはミサゴが巣作りしていた。海底は、起伏に富む岩礁で、海底の岩の割れ目から温泉水がぷくぷくと湧きだしている。ウメイロモドキの群泳が見事。魚類相は屋久島と同じである。大きな岩が多いので、サザナミヤッコのハレムがよく分かる。

翌朝は、10時半の出航で、屋久島へ渡り、船を乗り継いで鹿児島港には夕方5時半着。帰りは遠望が効き、竹島、黒島、種子島、佐多岬、開聞岳などよく見えた。桜島の近くで、カマイルカの赤ちゃん達がウエイクに戯れて、ジャンプを繰り返していた。

短い行程だったが、屋久島で初めて潜り、口永良部島を久しぶりに訪問することが出来た。松本さんや浜崎さんとお会いでき、屋久島の海のことを色々と教えていただいた。ターゲットだったゴンベ類には見事にふられたけれども、魚には注文を付けることが出来ない。

九州西岸や薩南諸島、トカラ諸島は、ダイバーが少なく、情報の少ない海域である。男女群島、甑島、宇治群島、草垣群島、三島(竹島、黒島、硫黄島)等は殆ど未知ではないだろうか?勿論、行った人はかなり居るだろうが、情報が残されていないのである。今後、もっと多くの人々によって、魚類相のデータが集まることを期待したい。これらの海域では、屋久島野外活動総合センター、口永良部島の広大研究室、奄美の多羅尾さんなど、本会会員の方々もそれぞれ拠点を持っている。今後、情報交換の輪を広げ、本協会で情報を蓄積していきたいと考えている。

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