このページでは、TOPIC PAGE の中から、会員以外の皆様方に向けて、記事を一部抜粋してご紹介します。 |
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果たして、このあとどうなったのでしょうか?? |
ログブックー初めての伊豆 |
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余吾 豊 |
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ログブックー薩南諸島 |
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坂井陽一・余吾 豊 |
5月27日より広島大の坂井陽一さんと屋久島、口之永部島へ行って来ました。 鹿児島新港より乗船。宮之浦港まで4時間。18時に宮之浦港に到着。予約してあった民宿「八重岳」に入る。さっと湯を浴びて、外をぶらぶらしていると、すぐ近くに、明日からお世話になる「屋久島野外活動総合センター」の建物がある。覗いてみると、若い女性が出てくる。会員の浜崎宏美さんだった。5分ほど話して、「では、明日の朝、9時過ぎに」と言うことで、宿に戻り食事。 トビウオの卵巣、カツオとアオリイカの刺身、トビウオのすり身の「付け揚げ」、タケノコと豚の脂身の煮物、サワラの焼き物など。生ビールと島焼酎「三岳」で乾杯。良い気分で、10時前には就寝。 翌朝、屋久島野外活動センターの代表の松本毅さんとお会いし、こちらの目的を説明して、屋久島のダイヴィングポイントの概要を教えていただいた。この会社は、ダイヴィング、登山、ハイキング、沢登り、川や海でのカヤック、カヌー等の体験ガイドをしている。それから、志戸子という、浜崎さんのコブシメポイントに行き、岸からエントリー。 目的のゴンベ類は、サラサゴンベ2尾だけに終わったけど、色々面白い魚に会えたし、圧巻はコブシメとの遭遇。約25尾は居た。目の前で恋のバトルを繰り広げ、僕達が喜んでいるので、浜崎さんも嬉しそうだった。午後は、矢筈岬の元浦と言うところで潜った。潜った後は、滝川という温泉で潮を洗い流し、ビールを飲んだ。 【写真1 コブシメ】 片づけて宿に戻り、ご主人と話していると、「車で7,8分のロッジが空いて居ますから移りますか?」というので、是非と言うことで移動。宮之浦川の支流沿いで、杉と木生シダ類に囲まれた感じのいいロッジ。別棟に五右衛門風呂もあり、静かなこと。 翌29日は原と栗生と言うところで潜水、30日の午前は一湊と、計5回、全て違う場所で潜った。どこで潜っても、近くに温泉があるので、快適。一周2時間ほどの島だから、風が強くても、どこかに潜れる。川は沢山あるけれども、雨の濁りは出にくい様子。宮之浦川や栗生川を覗いてみると、川底が透け、周囲の緑が写り込み、とても、綺麗だった。 【写真2 栗生川】 30日の午後は、白谷雲水峡という沢沿いのハイキングコースを3キロほど歩いた。2代杉、弥生杉という樹齢3千年くらいの杉や、花が散った後のサクラツツジ、倒木を覆うコケ等、緑色の世界に浸って歩き、その中に所々、幹が赤いヒメシャラの老木が鮮やかだった。花の盛期は過ぎていたが、静かで、落ち着いていた。 【写真3 いなか浜】 31日は午前中に片づけ、ウミガメの産卵地で有名ないなか浜へ行った。ここから正面に口永良部島が見える。砂浜を歩いていると、白く丸まった塩化ビニールのようなものを拾った。薄くて弾力があり、どうやら、ウミガメの卵の殻らしい。 屋久島の宮之浦港からは、毎日、口永良部島と種子島へフェリーが出ている。13:10の船で口永良部島に渡った。前回は81年5月に広島大学の研究船で訪れたので、20年振り。屋久島からは約1時間半の航路。途中、トビウオ達が、波と音に驚いて、飛んで逃げる。港が大きくなり、船も大型化していた。この島は活火山。 島であばら屋を借りて研究している広島大学生が2人、迎えに来てくれた。船が着く南側の本村港から細い上り坂を登ると、北側の西浦が拡がる。かって、75年から81年まで、僕のフィールドの一つだった湾だ。そこから、東に向かうと、知人の家があった。 夕方になり、知人や坂井さんとベランダに座り、硫黄島を見ながら、ゆったりと酒を飲み始んで話した。次の日は、島の西端に近い亀が浦という場所に潜りに行った。海岸の崖の上にはミサゴが巣作りしていた。海底は、起伏に富む岩礁で、海底の岩の割れ目から温泉水がぷくぷくと湧きだしている。ウメイロモドキの群泳が見事。魚類相は屋久島と同じである。大きな岩が多いので、サザナミヤッコのハレムがよく分かる。 翌朝は、10時半の出航で、屋久島へ渡り、船を乗り継いで鹿児島港には夕方5時半着。帰りは遠望が効き、竹島、黒島、種子島、佐多岬、開聞岳などよく見えた。桜島の近くで、カマイルカの赤ちゃん達がウエイクに戯れて、ジャンプを繰り返していた。 短い行程だったが、屋久島で初めて潜り、口永良部島を久しぶりに訪問することが出来た。松本さんや浜崎さんとお会いでき、屋久島の海のことを色々と教えていただいた。ターゲットだったゴンベ類には見事にふられたけれども、魚には注文を付けることが出来ない。 九州西岸や薩南諸島、トカラ諸島は、ダイバーが少なく、情報の少ない海域である。男女群島、甑島、宇治群島、草垣群島、三島(竹島、黒島、硫黄島)等は殆ど未知ではないだろうか?勿論、行った人はかなり居るだろうが、情報が残されていないのである。今後、もっと多くの人々によって、魚類相のデータが集まることを期待したい。これらの海域では、屋久島野外活動総合センター、口永良部島の広大研究室、奄美の多羅尾さんなど、本会会員の方々もそれぞれ拠点を持っている。今後、情報交換の輪を広げ、本協会で情報を蓄積していきたいと考えている。 |