このページでは、TOPIC PAGE の中から、非会員の皆様方に向けて、記事を一部抜粋してご紹介します。 |
多羅尾拓也「ウミウシ」 コメント:岩の上にちょこんとのっかっているウミウシを見つけました、今まで見たこともなく、図鑑で調べても載っていないように思います。動きは結構速く、活発なウミウシ・・・といった印象でした。エラの斜め後ろから伸びる2本のしっぽみたいなものが |
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マリン・パビリオン 30(4)より 宇井晋介 アンボイナガイは熱帯性の巻貝で、紀伊半島では稀に捕獲される程度であったのに、暖冬傾向の中、一昨年から昨年にかけて、イセエビ刺し網で近年にないほど多く捕獲されたそうです。捕獲したアンボイナガイを使ってその捕食行動を観察した結果が報告されていますのでご紹介します。 アンボイナガイは、イモガイ科の巻貝の1種であるが、貝類の中でも珍しい魚食性である。イモガイ科の種は、動物食で魚食性、貝食性それに虫食性(ゴカイなどを食べる)のどれかに分類されるが、魚食性のものは比較的限られている。その中で、アンボイナガイの仲間は人を死に至らしめるほどの毒を持つことで広く知られている。 アンボイナガイは細く、長く伸ばすことができる吻の先端から、モリ状の毒針を射出して獲物を毒殺し捕獲するが、その捕獲法については、吉葉(1997)により以下の3つに分類されている(出典は下記参照)。 1)吻だけを長く伸ばして獲物の体に一瞬押し当て、毒針を射出する そこで、どういう時にどの捕食法を選択するのかを観察してみた。死んだ魚を与えた場合には、3番目の方法で捕食した。生きた魚の場合にも、ハゼなどの底生性の魚を捕食する場合には、同じく3番目の方法を使った。では、中層を泳ぎ回る魚はどうやって捕食するのかということで、ハゼとクロホシイシモチを同じ水槽に入れてやると、食べられるのはハゼばかりであった。どうも泳ぎ回る魚は苦手のようである。でも、ハゼを全部食べてしまうと、クロホシイシモチを捕食しようとした。その時に使うのが1番目の捕食法であった。ただし、毒針を打ち込むためには、獲物の体に触れなくてはならす、これにはかなり苦戦しているようであった。また、かりに打ち込みに成功しても、毒針のかえしが小さいことと、毒が効くまでに時間がかかるために(5分程度)、暴れられると容易に針から獲物がはずれてしまった。これでは、狭い水槽内なら問題はないが、広い海の中では、せっかく毒針を打ち込んだ魚もどこか遠くへ流されてしまい、「骨折り損のくたびれもうけ」になってしまうこともあるだろう。(続く) 事務局より:吉葉さんによる図解は奥谷喬司編著「貝のミラクル-軟体動物の最新学-(東海大学出版会)」の中に紹介されています。 |
No.001 「珍光景」竹内直子 観察日:2000年9月16日
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