TOPICS No.001

この番組の放送は既に終了しておりますが、会員の皆様がTOPIC PAGE に投稿される際に、参考となると思いますので継続して掲載しております。

ヨダレカケ・・・・・
みなさんが想像されるものは・・・・・そう!赤ちゃんのヨダレカケ!
しかし、今回の生きもの地球紀行のヨダレカケは、なんと!魚です。
魚とはいっても海の中で泳ぎまわる普通の魚ではありません。
なんと海中での暮らしを捨て、陸上で岩の上にはりついて暮らすという魚ばなれした魚です。
時には水面を・・・うわぁ!!!
時には陸上で・・・まじかよぉ!!!・・・・・・・・・すごい魚です。


岩の上のヨダレカケAndamia tetradactyla

私の所属する広島大学生物生産学部水産資源学研究室では、具島健二教授の御指導のもと世界遺産、鹿児島県屋久島の北西に位置する口永良部島で30年にわたり、

“魚たちがより効率的に餌を食べるのにどのような知恵をもっているのか?”
“魚たちがより沢山の子供を残すためにどのような知恵をもっているのか?”

という「魚の戦略」を、日々の魚たちの行動を観察することによって明らかにしてきました。その研究の1つが今回幸運にも、約1千万人もの方々に見ていただけるという「生きもの地球紀行」で放送されることになりました。我々の研究がマスコミにでるということは、いい面と悪い面があるとは思いますが、「より多くの方々に生きものの素晴らしさ、大切さを伝える」という意味では本来の研究者の目的であると考えますし、とても素晴らしいことだと思います。

  かわいいでしょ!

        
番組では、タレントの柳生博さんがこの秘境・口永良部島を訪れ、ヨダレカケが陸上で暮らすために身につけてきた驚くべき技の数々、魚の常識をうち破る独特の繁殖方法、ヨダレカケという名前に隠された秘密などをじっくりと紹介しながら、なぜ魚が陸に上がるようになったのか、という究極の謎にも迫ります(ここはヒジョウ〜〜〜〜〜〜に!!難しい問題なのですが、、、)。
     


柳生 博氏(右)とのワンシーン

撮影は昨年の5月から8月にかけてハイビジョンカメラ3台を使って行われました(一台1千万円くらいするそうです、、、)。毎晩、民宿でその日撮影した映像を見たのですが、第一声は「まじですかぁ〜!」でした。今まで私の頭の中だけに存在していたヨダレカケの映像がこれほど大きく!鮮明に!目の前に広がっていました。これはカメラの性能の凄さもありますがひとえにカメラマンの腕です。

特に私が最も幸運な出会いだったと感じている、プロカメラマン佐久間文男氏によって素晴らしい映像が次々と記録されていきました。炎天下のなか、何時間もじっとヨダレカケを待ち、みつめ、ひたすら耐える、、、。なにより、「生き物に負担を与えない撮影」を心がけておられました。また撮影関係者の方が「日本でマクロ(接写)を撮らせたらナンバーワンだ!」といわれるほど、さまざまなレンズを駆使して私ですら見たことがなかったような映像を撮影してくれました。

潮だまりで・・・

本当にヨダレカケのかわいさ、凄さ、生き物の凄さ、大切さが、伝わってくるものができたと思います。是非、みなさん!!ご覧ください。まわりのみなさんにも宣伝をよろしくお願いいたします。

最後になりましたが、快く私達の研究とNHKの撮影を受け入れていただき、多大なご協力をいただいた口永良部島のみなさんに心より感謝します。

                    清水則雄


(写真は番組宣伝用にNHKからお借りしたものですので、無断転載を禁じます。この番組に対するご質問やご感想をお待ちしております。AUNJ事務局 info@aunj.org にお寄せください。)

 
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