FIELD REPORT 003

会員からの研究レポート第3号です!

「アヤアナハゼ」の産卵 山本 敏

撮影場所:静岡県伊東市 伊豆海洋公園
撮影日時:2002年2月3日 14:30ごろ
水 深:約6m
水 温:13.3℃


図1 産卵場所を探して徘徊しているところで、
ホスト(イソカイメン)も写っています


図2今 まさに産卵している時 


図3 産卵直後の卵

 根の壁に生えてるカイメンに産卵していましたが、この場所は小さな入り江の口で、波の影響を強く受け、水の動きの激しい場所でした。
産卵前に海綿の中を覗いてエビなどが棲んでいないことを確認すると聞いたことがありますが、今回の産卵でもそう思えるような行動は見えました。なんとも言えないですが。。。
その後、この卵を継続観察したかったのですが、波が荒く光の加減も良くなかったため、よく見えませんでした。残念。

事務局より

 実に素晴らしい記録ですね。
おそらく、世界初記録でしょう。山本 敏さんにはまだお聞きしたいことがありますが、取り急ぎ、要点をアップしました。

山本さんとのQ&A

・前からねらわれていたのだろうと思いますが、狙って早々簡単に出会えるものではないと思います。手がかりのような行動だとか、場所や時間の予測は出来るのでしょうか?

ところが偶然だったんです。(^^;;
以前、瓜生さんにガイドをお願いして潜ったとき、オビアナハゼの産卵を見せてもらったのですが、産卵に至る直前の♀には以下のようにわかりやすい特徴がありました。
(1)お腹がパンパン
(2)産卵管が出ている
(3)ひょこひょこと立ち泳ぎをする
僕はたまたまこの特徴を持ったアヤアナハゼに出会ってしまったんです。あとは、ビデオを回しながら追いかけるだけでした。(笑)

残念ながらデータを積み重ねて狙ったわけではなく、結局自分も1回しか目撃できなかったものですから、場所や時間の予測はつきません。この時期にアヤアナハゼを片っ端から見てゆけば、案外簡単に見れるんじゃないかとは思っているのですが、データ不足でなんとも言えません。

・カイメン内を調べるというのは何に書かれていたか覚えておいでではありませんか?

オビアナハゼが産卵前にカイメンの中を覗くような行動を見せると、瓜生さんに伺ったのですが、今回のアヤアナハゼの産卵行動もオビアナハゼに似ていたもので、混同してたかも?


 では、掲示板でお待ちしています。    余吾 豊

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