DIVING LOG-BOOK No.005

ログブックー初めての伊豆
 余吾 豊

 7/20(土)にモイヤーさんの三宅島来島50周年記念パーティに出席する為、上京しました。折角ですから、未だ、潜ったことのない伊豆に行ってみようと思い立ち、瓜生さんに相談して、アレンジしていただきました。僅か2本だけのダイヴィングでしたが、とても印象が強く、色々な方達とも
出会えたので、少し紹介します。

 7月18日、羽田から京急で横浜へ、ついでJRで東海道線を下りました。時間はたっぷりありましたから、普通を乗り継ぎながら、伊豆急の城ヶ崎海岸駅までのんびりと。途中、真鶴、早川、熱海、宇佐見、伊東、川奈、富戸など、聞き覚えのある駅名を見ながら、地図と合わせて「ここだったのかー」と思いました。

 城ヶ崎海岸駅には、瓜生さんが迎えに来て下さいました。電話では何度かお話ししていましたが、初対面。それから、益田 一先生のお宅に伺いました。懐かしい昔話や魚の話などしていると、そこに峯水 亮さんと鈴木敬宇さんが偶然、遊びに来られ、これまた、初対面でした。益田先生が、「揃ったから、飯でも食うか」と仰り、おしゃれなイタリヤ料理店でごちそうになりました。昔話が多くなりましたが、コモンフグやショウサイフグの仲間は見分けが難しく、写真をもっと集めましょうということに。皆さんもどんどん、お願いしますね。

 翌日、瓜生さんのショップへ。ここで、池谷さん、大平さん、原さん、
山本(敏)さん夫妻にお会いしました。初対面ですが、自己紹介は必要なしで、メールのありがたさかな。

 早速、伊豆海洋公園へ。台風の後で、濁りが残っているとのことでしたが
海は穏やかででした。僕が伊豆へ来た理由の一つは、どんな海かということもありますが、一体どのようなシステムでダイヴァーが利用しているのかと言う点が大きかったのです。九州では、殆どの海は、ダイヴァーには開放されていません。ですから、そこに深い関心を持っていました。

 うまくできているなと感心しました。それから、利用者のマナーが良いなと感じました。直ぐに会釈を返してくれるし、整然としているし、使いやすいなとも思いました。長い時間をかけてのことなのでしょうが、素晴らしいものに感じました。うるさいマイク放送がないのも良かったですね。休日の混雑するときもそうなのでしょうか?誰も耳を貸さない放送はない方が良いですね。

 潜ったときに最初に見かける魚は、ニシキベラかメジナと想像していましたが、それは今年産まれたウミタナゴでした。それから、テングサ類やホンダワラ(凋落仕かけのトゲモクが多かった)、アントクメの群落が拡がりました。魚は九州の長崎の海と似ていましたね。しかし、長崎に比べると、イソギンチャクやヤギ、トサカ類は少なくイシサンゴも少ない。水温の関係でしょうか?割と海底の勾配は急で、岩盤の沖だし幅が狭いので、ダイヴァーの観察や訓練には良い条件だなと思いました。

 この日は最高21℃、最低19℃で、寒かったです。
 気になっていたスズメダイ類の産卵基質は、スズメダイが岩肌とアントクメに、マツバスズメダイが巨礫に、セダカスズメダイが岩肌に産んでいました。あるセダカのオスは4クラッチを守っており、左回りになっていました。これを見ながら、皆で数えたり、方向を確認したりしたのですが、その時、皆さんの頭の中には石田さんのレポートがくっきりと残っていたのは間違いありません。マツバスズメは水深20m以深でしたか?深いなと思いました。これも表層水温が低いせいでしょうか?

卵を守るセダカ 山本 敏さん撮影

 この日の1本目は、キタマクラの産卵を狙っていました。あるペアを見ていましたが、メスが海藻の一カ所を突ついているのは観察できました。しかし、どうもオスは未だと見ている様子で、あきらめました。帰り際に、別のペアを見つけ、これが産卵しました。エアの残りは少なく、とてもラッキーでした。3台のビデオと、2台のカメラに収まったと思います。山本さんの写真を掲載していますが、右の大きい方がオスで、オスの右側にあふれ出た白い卵が見えるでしょ。不思議です。照明の影響でこのように白くなるものなのでしょうか?

放卵、放精中のキタマクラのペア 山本 敏さん撮影


放卵、放精中のキタマクラのペア 原 多加志さん撮影
(上と同じ場面です)

 キタマクラの産卵には、謎が多く、未だすっきりしません。これは、また後で整理してみましょう。1本目が終わり、昼飯を食う時に府川さんが訪れました。みんなで一緒にお弁当を食べました。美味しかったなあ。
 2本目は、ベラの産卵を見ようということで潜りました。オトヒメベラ、オハグロベラ、カミナリベラ、ホンベラ、スジベラ等が怪しい動きをしていました。
 産卵自体は観察できませんでしたが、ベラ類の求愛を見たり、アミメハギの幼魚、ヤマドリ、サツマオコゼなどをそれぞれ見ていました。僕は、オトヒメベラのハレムの分布を見るために、中層から下を俯瞰して見ました。そうすると実によく分かります。相当に緊密なハレムが並んでおり、アブレオスも居ました。それから、シラコダイをクリーニングしているネンブツダイ、請求行動を虚しくやっているブダイをホホーと思いながら見ていました。瓜生さんが指し示す、オスが極端に多いネンブツダイの群れも見ました。何か手がかりがあれば、観察は次から次に進むものですね。その手がかりが大事ですね。オスの多いネンブツダイの群れについては「魚の性」で書きます。

 2本目では、最後の方で皆さんとはぐれてしまい、先に上がりましたが、
クロホシイチモチの産卵が観察できたと聞きました。エントリーする場所に
眼鏡置き場と水道があるのはとても便利ですね。大學3年の時、串本で素潜りしましたが、眼鏡を岩の間に置き、戻ると満潮で流されていました。恥ずかしい話です。脱着場で川口(旧姓)直美さんとお会いしました。以前に、
「モイヤーさんの70歳誕生パーティ」でお会いしました。それから、鈴木敬宇さんとも再会。


記念撮影 前列左から池谷、山本さん、
後列左から松木、瓜生、僕、原、府川、山本、大平さん

 その日は、夜遅くまで、ビールを飲みながら魚の話で盛り上がりました。
 最後は、瓜生さんが準備している本の原稿を見せていただき、出版が待ち遠しいなと感じました。
 最後に、海洋公園の魚は人に慣れているなと思いました。メジナにあれほど近づけるとは・・

 皆さん、有り難うございました。本当に良い旅になりました。

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