このコーナーでは、AUNJ事務局に届いた機関誌などから、これは!と思われる情報やエッセイ等を紹介します。 (執筆者の敬称は略させていただきます) |
西日本新聞 3/29夕刊より 高知大、山岡耕作教授の研究が紹介されており、ホホウと思いました。 |
マリン・パビリオン 32(3)より 宇井晋介 1990年より継続されている有田湾周辺の海域潜水調査結果から、海藻類の出現種数と出現量を水温変化と対比させて纏めたレポートである。この13年間に、海藻の総出現量は減少を続け、特にここ5年間が著しい。減少は褐藻類で顕著であり、緑藻類、紅藻類には目立った変化がない。当水域の褐藻類で優占するのは大型褐藻のホンダワラ類であり、このホンダワラ類の減少が際だっている。 |
YNAC通信16号より 松本 毅「海洋レポート」 ハマサンゴ類にはイバラカンザシが沢山穿孔している。注意してみるとコブハマサンゴに付いたイバラカンザシだけ、その口の周りがピンク色になっている。また、着生したばかりの棲管もピンク色になっている。と言うことで、ピンク色はイバラカンザシが着生したときの色が後まで残っていると思われた。 ところが、その後、コブハマサンゴを見ている内に、イバラカンザシとは違うピンクに出会ったのである。これらはサンゴの周辺に着生している海藻類とサンゴの接触面に添ってサンゴの表面に盛り上がるように続いているのである。ひょっとすると、サンゴが海藻やその他の生物の着生を阻害しようとして分泌する物質の色ではないだろうか? |
マリン・パビリオン 32(1)より 宇井晋介 1974年より2001年までの気温、水温、塩分濃度、降水量、水中透視度の測定値から求められた平均値が平年値として2002年の測定値と比較されている。 |
マリン・パビリオン 31(5)より ・小寺昌彦 ・宇井晋介 |
マリン・パビリオン 31(4)より 宇井晋介 潮岬周辺海域の海藻植生についてのノートである。 事務局より:この潮岬北岸がミステリアス・ゾーンだそうです。海藻ではヒビロウド、ツカサアミ、フサノリ等の鮮やかな紅藻類が豊富で、南紀では、ここだけでしか見られない景観だということです。海藻だけでなく、センベイアナサンゴ、ヒレジャコ、トウカムリなどの発見が相次ぎ、潜水する度に、新鮮な出会いがあると宇井さんが書いています。南紀をフィールドとする皆さん、この次に行かれたら、もう一度、新たな視線でみつめて来て下さい。 |
YNAC通信15号より 松本 毅「屋久島のキンチャクダイ科魚類」 |
マリン・パビリオン 31(1)より 宇井晋介 1974年より2000年まで続けられている気温、水温、塩分濃度、降水量、水中透視度の測定値から求められた平均値が平年値として2001年の測定値と比較されている。 |
ウミガメ速報01-20(8/21)より一部を紹介 事務局より:何とも、ほのぼのする光景ですね。最後の米須さんの言葉は、 |
YNAC通信 No13(2001.7.1)より一部抜粋して紹介。 「訪問客とともに」・小原比呂志 エコツーリズムについての一つの卓見。 |
マリン・パビリオン 30(4)より 宇井晋介 アンボイナガイは熱帯性の巻貝で、紀伊半島では稀に捕獲される程度であったのに、暖冬傾向の中、一昨年から昨年にかけて、イセエビ刺し網で近年にないほど多く捕獲されたそうです。捕獲したアンボイナガイを使ってその捕食行動を観察した結果が報告されていますのでご紹介します。 アンボイナガイは、イモガイ科の巻貝の1種であるが、貝類の中でも珍しい魚食性である。イモガイ科の種は、動物食で魚食性、貝食性それに虫食性(ゴカイなどを食べる)のどれかに分類されるが、魚食性のものは比較的限られている。その中で、アンボイナガイの仲間は人を死に至らしめるほどの毒を持つことで広く知られている。 アンボイナガイは細く、長く伸ばすことができる吻の先端から、モリ状の毒針を射出して獲物を毒殺し捕獲するが、その捕獲法については、吉葉(1997)により以下の3つに分類されている(出典は下記参照)。 1)吻だけを長く伸ばして獲物の体に一瞬押し当て、毒針を射出する そこで、どういう時にどの捕食法を選択するのかを観察してみた。死んだ魚を与えた場合には、3番目の方法で捕食した。生きた魚の場合にも、ハゼなどの底生性の魚を捕食する場合には、同じく3番目の方法を使った。では、中層を泳ぎ回る魚はどうやって捕食するのかということで、ハゼとクロホシイシモチを同じ水槽に入れてやると、食べられるのはハゼばかりであった。どうも泳ぎ回る魚は苦手のようである。でも、ハゼを全部食べてしまうと、クロホシイシモチを捕食しようとした。その時に使うのが1番目の捕食法であった。ただし、毒針を打ち込むためには、獲物の体に触れなくてはならす、これにはかなり苦戦しているようであった。また、かりに打ち込みに成功しても、毒針のかえしが小さいことと、毒が効くまでに時間がかかるために(5分程度)、暴れられると容易に針から獲物がはずれてしまった。これでは、狭い水槽内なら問題はないが、広い海の中では、せっかく毒針を打ち込んだ魚もどこか遠くへ流されてしまい、「骨折り損のくたびれもうけ」になってしまうこともあるだろう。(続く) 事務局より:吉葉さんによる図解は奥谷喬司編著「貝のミラクル-軟体動物の最新学-(東海大学出版会)」の中に紹介されています。 |
ウミガメ速報01-03(4/18)より、原文のままご紹介します。 久米島イーフマリンホリデーの小川真司さん(4/13発信) 4/12、イーフビーチにアカウミガメが上がり、まもなく引きつるように死んだそうです。解剖したら胃や腸の中からウミヘビが10匹くらいも出てきたそうです。食べたウミヘビに胃の中を噛まれたのではと噂されています。イーフビーチ前はイノーの砂地で、今の季節は産卵に集まったウミヘビ達の集会所のようになっているのでここに入りこんで食べたのでしょう。私も昔よく潜りましたが水面から5〜6匹見えることもあるほどウミヘビが多くて気持ち悪くなるような所です。最近、色々なポイントでアカウミガメが見られるようになりましたが、あまり近寄ってきません。一瞬見に来るのですがすぐに行ってしまいます。 事務局より:潮が引くと、岸より数百メートル以上沖にサンゴ礁が岸と平行に帯状に干出しますが(これを前方礁原といいます)、それより岸側に拡がる浅いプールのことを礁池といい、沖縄方言ではイノー、イナーあるいは、イヌーといいます。高橋達郎著「サンゴ礁」(古今書院)を参照。 |
マリン・パビリオン 30(3)より 野村恵一 串本町周辺では秋から春にかけてイセエビの刺し網漁(エビ網)が行われ、その網に混獲された生物は、水族館での展示や研究に利用されています。このレポートは今季のエビ網に混獲された珍しいヒトデ類に関するものです。 |
海中公園情報 130(Jan. 2001)より 野村恵一・富永基之 高知県大月町尻貝海岸では、1989年にヒメシロレイシガイダマシ(サンゴを食べる巻貝)が大発生し、多くのサンゴ(ミドリイシ類)が食害を受けました。その後、サンゴの分布調査、貝の生態調査に基づく計画的、継続的な駆除が行われました。その結果、現在でもサンゴ群落は保全されています。しかし、貝の密度は依然として高く、被害収束のめどは未だ立っていないのが実情です。これらの経験をもとに、今後の駆除指針として、早期に異常を発見し、早期に対処することができる体制づくりが重要であると指摘されています。 |
西日本新聞 2001/02/12朝刊 「変わりゆく九州の海」より 九州大学の野島 哲博士(本協会評議員)が1975年から継続している天草での研究が紹介されている。最近の5年間に天草でのテーブルサンゴの生息場所の急激な北上が確認され、海藻植生の減少も同時に進行した。天草南部の牛深と北部の富岡の2月の平均表面水温は、'55年にはそれぞれ、14.7℃と12.4℃だったものが、'95年には、15.7℃と13.7℃に上昇していた(長崎海洋気象台の水温データ)。テーブルサンゴの分布を決定する最低水温の13℃を越えたことから、こうした北上が起こったと考えられるそうだ。さらに、長崎海洋気象台の水温データでは、天草だけでなく、石垣、那覇、名瀬、女島、厳原なども同じ傾向を示しており、東シナ海全体で、平均最低水温の上昇傾向が確認されている。 |
海中公園情報129(Nov. 2000)より 近藤鉄也、他 八重山海中公園研究所では、1978年よりアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの上陸・産卵状況に関する継続的な調査が行われており、データの蓄積は20年以上に及ぶそうです。その成果は一部すでに報告されていますが、今回は1991年から2000年までの結果をまとめたものです。 |
YNAC通信 No12(2001.1.1)より「水面下の世界」を抜粋して紹介。 「屋久島自然クラブ2000」の記録 |
マリン・パビリオン 30(1)より 宇井晋介 1974年より2000年まで続けられている気温、水温、塩分濃度、降水量、水中透視度の測定値から求められた平均値が平年値として2000年の測定値と比較されている。 |
マリン・パビリオン」29(11)より 野村恵一・福田照雄 日本国内のサンゴ礁では、1970〜80年代のオニヒトデによる食害から回復してきたが、1998年の高水温による白化現象により再び大きな打撃を受けた。真のサンゴ礁域の北に位置する串本のサンゴ群集は、オニヒトデや白化の打撃を受けずにこの30年間、安定していた。しかし、最近、ヒメシロレイシガイダマシによる食害が目立ち始めている。また、高水温の影響から、枝状ミドリイシ類が増加し、本州初記録種が続々と発見され始めているそうだ。以下、連載中。 |