DIVING LOG BOOK No.10

ログブックー[冬のセミナー」

 余吾 豊 12/06/06 開始
別項:
主催者の心

参照記事:南風泊通信の「大好きな人:漢(おとこ)寛治」

余吾です、みなさん、こんにちは
セミナーでのポスター発表内容についてはワーク・ショップで紹介します。その他、口頭での発表はビデオを準備します。ここでは、BBSでの発言を取り扱います。


セミナー終了後の集合写真。平塚市東海大学キャンパス。
12/03/2006. 参加者の内、南里さん、瀬能さん、中村さんは入っていません。



今回、色々とお世話になった東海大学理学部長の南里憲三教授。
大好きな人:漢(寛治)の弟さんです。




懇親会。これでもか


先ずは、この場で一括して、BBSへの返信を書きたいと思います。

投稿者名:原 多加志

> 錚々たる研究者の方々のお名前が並んでいたので、果たして僕のよ
> うな素人がどこまでお話できるのか不安でしたが、実際お会いして言
> 葉を交わしてみればそんな心配もまったく杞憂で、稚拙な質問にも丁
> 寧なお答えをいただき、大収穫でした。このような機会は、AUNJ
> でなければ絶対得られないもので、骨折りいただいた余吾さんには本
> 当に感謝いたします。

そう言っていただけると、疲れは吹っ飛びます。これまで何度もくじけそうになったのに、気長にお付き合い下さり、また、励ましてもいただき、僕の方こそ原さんには特に感謝しています。

僕はいつも研究者とアマチュアという繋がりを大事にしたいと考えていますが、研究者とアマチュアという十把一絡げの極端な対比はしないで欲しいと御願いしています。研究者といえども、研究ばかりしているわけではなく、講義や実験・研究指導、様々な煩雑な校務・公務に追われています。また、家庭においては父や母の役割も人間として当たり前にやっています。研究、調査と言う側面だけを見ると、設備や予算に恵まれている方も居られるでしょう。研究の手伝いをしてくれるスタッフに恵まれているヒトもいるでしょう。しかし、研究し、論文に発表し、業績を上げるというのは御自身のライフスタイルや自己満足でもある反面、責務でもあるのです。研究と言っても、僕自身、身が震えるような分野で活躍している人も居ますし、何で、これが研究と思うようなこともあります。よく言えば多様。悪く言えば雑多ですね。

色々な研究者が居ます。僕があのような場への参加を御願いする方は、きっと皆さんの質問や相談に気軽に乗ってくれ、そして、気さくにお話しして下さるだろうと期待できる方だけです。研究者と言うより、良き仲間、友人と言った感じです。どんなに凄い研究をしていようと威張る人には絶対に声を掛けません。掛けても応えてくれないでしょう。AUNJは学会ではないからです。僕が尊敬できない、唾棄すべき大学教官や民間の研究者は何人も知っています。

それでも、生物のことを知りたいという願いはみんな同じだと思います。眼や耳は同じです。

> また、石田さん、塚本さん、平山さん、瓜生さんなど、会員の方々
> の発表からも大いに刺激を受けました。今回は、あまりに豪華なメン
> バーが集まったので、お一人お一人にもっといろいろお話を聞きたか
> ったのですが、帰ってから「あれも聞いておけばよかった、これも聞
> いておけばよかった」ということの続出です。この大成功をぜひ次に
> 繋げるべく、次回の開催を楽しみに、日常もBBSなどを利用して、
> さらに情報交換ができればと思います。

今度のポスター発表についてはじっくりと読み、発表者の方とお話しする時間が全く足りなかっただろうなと思います。少し欲張りすぎたと反省もしていますが、やむなく遅く参加される方にはポスターは貴重です。ポスター内容については、ワークショップでまとめて、参加した方にも参加されなかった方にも読んでいただけるようにします。時間が掛かるかも知れませんが、お待ち下さい。
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投稿者名:石田 根吉
タイトル:リポビタンD

> いやぁ、今回のセミナーは本当に楽しかったです。研究者の方々の
> お話は、その内容もさる事ながら、
>  「皆さん、やっぱりエネルギッシュだなぁ」
> と言う事がとっても刺激になりました。何かしら訳も無く元気にな
> りました。リポビタンDを一気飲みした様な気分です。先生方、どう
> も有難うございました。この様な機会は今後も是非とも続けて欲しい
> ですね。

約束します。石田さんは結構、注文が多いので(ウフフ。その反面、多いに陰で助けてくれていますが)、石田さんの全ての要望には応じられません。ご容赦下さい。それより、次回からは、石田さんだけでなく、会員の皆さんには、計画案の作成、検討、事前準備など多いに参加して欲しいと思います。

> その際には、僕自身は会員の皆さんのお話(発表)をもっともっと
> 聞きたいと思います。

雰囲気と方法が大事ですね。

>  「発表なんてそんな大それた」 
>  「私なんかが・・」
> と言う方もおられるかも知れません。でも、5分でも10分でもよいか
> らその「面白い」を他の方と共有してみてはどうでしょうか。酒の席
> の雑談としてではなく、或るまとまった話として記録に残しません
> か。

石田さんは発表に長けていますね。そう思ったのは僕だけではないでしょう。たとえ聴衆が少人数でも、人の前で話をするというのは、そうそうだれにでも出来る簡単なことではありません。
僕は、新井さんが提案してくれたスタイル(次節を参照して下さい)が良いし、現実的ではないかと思います。

> 我々は「小さな研究者」になる必要はありません。それぞれに感じる
> ドキドキを面白がればよいのではないでしょうか。それを共有できれ
> ば個人のドキドキを皆のドキドキに昇華できます。

前半は拘りすぎと思うけど、後半はとても良いことだなと思います。

> 我々アマチュア・ダイバーの強みは研究者の方の様に成果や結果を
> 求められない事です。学術的に意味があろうがなかろうが、そんな
> 事知った事ではありません。だから、自分が楽しいと思うことだけ
> を、思う存分楽しめばよい筈です。多くの方々のそんな「面白」を
> 発表して、研究者の方々を逆に羨ましがらせたいななんて思うので
> した。

まあ、この辺も原さんと同じく、僕には「何か拘って居るなあ」と思うところが少しあるのですが、僕の方がこだわっているのかなあ?でも、僕はプロの研究者であった時期は全くないし、今は下請けの業者で、時には辛い人夫作業もします。役人には卑屈に頭を下げることもあります。時に、皮肉ったり、爆発もしますけど(何度、失敗したか・・・)。その反面で、院生の指導も手弁当でしています。それは、楽しいし、自分の勉強にもなるし、僕が出来ないことをしているので、頑張っている若者に期待し、応援しているんです。僕はプロの研究者でもアマチュア生物愛好家でもないなあ。何と言えばよいのか分からない。聞かれると窮します。線引きが出来ないのです。そんな僕だから、こういう単純な対比にはひっかかります。専門にやっている方に、「オッ、これは!」と思わせ、そこが新たな出発点になれば「素晴らしいことだなあ」と思います。「強み」だとか「弱み」だとか言わないで、御自身のスタイルでやればそれで良いのではないでしょうか。立場に拘るのは、ご自分の自由ですが、余り他人に拡げるようなことではないと思います。ちょっと、きついけど、僕が何時も感じることなので。

> 口下手な僕だって発表出来たのです。みなさん、次の機会にはもっと
> 「おもしろ披露」を致しましょう。

石田さんは口べたと言うより、しゃべりたがらない場や相手があるだけなのでしょう。僕はそう思っています。僕だって同じですよ。

> (太平さんのTKGの話をまとめて聞きたいぞぉ〜)

同感です。藪田さんもきっとそう思っていますよ。
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投稿者名:新井章吾
タイトル:怖いもの知らずのスズメダイ

> フィールドをよく見ている人たちの集まりなら、面白いだろうと、忙しい
> なか参加した甲斐がありました。想像を超えるおもしろさで、みなさんの話
> にワクワクしました。

新井さんの参加は新鮮でした。僕が以前から主張していた「海藻に目を遣る」と言うことを一点突破、全面展開(今は未だ、大げさかな?)させて下さいました。感謝しています。

> 石田さんが書いているように、皆さんが自分が面白い
> と思っていることや疑問に思っていることを私も聞いてみたいです。A42枚
> に写真だけを印刷して、自己紹介を兼ねて、それらを見せながら3分くらい
> ずつ発表して、内容を全員に知ってもらってから、発表者以外が興味のある
> 写真の場所をランダムにめぐって、発表者と話をするような形式にすれば、
> よいと思います。

良いアイデアですね。出来れば、前に一人立つのではなく、円卓会議風(ラウンド・テーブル)にすると話しやすいでしょうね。

> 多くのメンバーが参加しやすい場所で、懇親会と宿泊もできる施設が近接
> していて、話を十分にする時間が取れたのもよかったです。全員と話すには
> それでも時間が足りませんでしたが。第一回目のセミナーとしては大成功で
> 、三宅島や日本海でダイビングをセットにしたセミナーを開いても、メンバ
> ーが集まるのではないでしょうか。

考慮中で、もう、少し動き出しました。

> 余吾さん、会場の使用に便宜を与えていただいた南里憲三さんよろしくお
> 伝えください。ちなみに、憲三さんは故南里寛治さんの弟とのことで、話し
> 方がよく似ています。寛治さんはAUNJ設立メンバーの一人で、ホームページ
> 表紙下部の南風原通信の「大好きな人:漢(おとこ)、寛治」に余吾さんが
> 詳しく書いています。

今日、南里さんからメールを頂きました。一部を以下に貼り付けます。

「セミナー盛大で良かったですね、セミナー内容ばかりでなく
皆さん満足されたとか、お手伝いした甲斐がありました。
又の機会がありましたらどうぞご利用下さい。
兄の事も作っていただき、初日拝見して込み上げるものがありました。
ありがとうございました。」

> 今回私が発表した内容は、サウジアラビアの紅海沿岸と石垣島の白保の大
> きな藻園のスズメダイに海藻の調査中に集団で襲われたことから興味を持ち
> 始めた観察の結果です。

以下はわーくしょっぷで展開しましょう。

> 原さんや石田さんを始めとするAUNJのメンバーが白保で一緒に2日間くらい
> 観察すれば、多くの疑問が解けると思いました。セミナー以外にこんな機会
> があったらよいですね。同じフィールドを見ながら「おもしろい」を共有で
> きます。

共通のテーマを持って、海に潜り、その後でミーティングをすることは将来の夢です。
そういう体験を実のあるものするには、事前学習がとても大事だと思います。
新井さん、また、お知恵を貸して下さいね。
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投稿者名:山口明男
タイトル:Re: リポビタンD

> 海野さんの発表にあった、火山灰の中から芽を出す植物の力強さや、モイヤー先生と海
> 野さんと子供たちの写真。鮮烈に印象に残っています。
> そして、その子供たちの中から想いをもって勉強に励む人が出てきているという事実、
> その絶えることのない時の流れ。胸を打たれました。

今回参加された吉川さんは、昭和58年(1983)の噴火に遭い、竹芝に戻る船から赤く染まる三宅を見たそうです。僕は、数日前に三宅から戻っており、そう言う体験は出来ませんでしたが、2000年の噴火にはもろに出くわしました。1999年に三宅で、2002年に東京でモイヤーさんと再会し、海野さんのお話にはこらえきれなくなりました。

> 「撮ったもの」は何よりも客観的な事実だし、何度でも再現できて、「見えなかったも
> のが見えてくる」のが単純にすごいと思いますね。

肝心なのはそこですね。

> そして、何より、見る人の知識と興味によって、さまざまなものが読み取れることにも
> 面白みがあるなぁ、と思って見ていました。
> 魚類写真資料データベースやmomoの存在の意味に改めて思いを及ぼす時間になりました

瀬能さんや藪田さんも喜びますよ。

> ただ、僕は、あまり「記録」などというものにはこだわりすぎずに潜る単なるアマチュ
> アダイバーであり続けたい、とも思いましたけれどもね。
> 次から次に見たいものが出てきて、気が散るヤツですから。

それは各個人、ご自由に。それぞれのスタイルがあって、それが面白いのですからね。

> 塚本さん、すばらしい発表、ありがとうございました。
> でも、僕は聞きたくなかった(笑)
> 僕は、人にヒントを得たものは狙わない主義なので、もうオキタナゴ(たぶんあれはオ
> キタナゴでいいんですよね?)の出産は狙えません。

サムライですね。

以下は僕の骨休め。

> 余吾さん、ロードスターが好きなら、きっとアルファも面白いと思います。
> でも、たぶんロードスターの何十倍も壊れますが。

イタ車の宿命かな?

「パンダ乗り」と聞いて、僕は山口さんがパトカーの警察官と勘違いしていました。
アルファは右ハンドルが良いですね。右ハンドルがあるのに、わざわざ左ハンドルを買うBMVのオーナーは田舎者だと思っています。排気音も気に入りました。二日酔いでなければ、運転させて貰いました。白状しますが、必死で自重したんですよ。

居間の壁には、ランチア・デルタのスピード・メータを掛けています。東急ハンズで見つけたんです。

僕のロードスターは18年目。足廻り、冷却関係、ブレーキは徹底的にリストアしてありますが、エンジンは換装していません。でも、180は割と簡単に出ますし、ステアリングもぶれません。良くできたエンジンと足廻りです。でも、加速よりハンドリングの方を楽しむ車です。昔、乗ってた三菱のサターン・エンジンも良くできていました。その車(ギャランFTO-GSR) を廃車にするときはホロリとなりました。
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投稿者名:つかもと ひとみ
タイトル:ハイテンション

> セミナーではお世話になりました。たくさんの人にお会いするとついテンションが高く
> なってしまい、騒がしかったと思いますが、ご容赦ください。

確かにハイピッチでしたよ。

> 私は水中でも陸上でも、じかに自分で見ることこそが楽しいと常日頃思っています。セ
> ミナーでも(本やネットでの情報だけではなく)じかに講師や会員の方々にお会いして
> お話ができて本当に楽しかったし有意義だと思いました。

嬉しいです。

> ところで、薮田さんのお話を聞いて、後から気になってきたことを少し書きます。
> ミスジチョウチョウウオの一連の行動には、説明のあったルールのほか、相手をパート
> ナーかそうでないかを認識する認知の問題も含まれていたのではないでしょうか。今回
> は話をわかりやすくするためにあえてふれなかったのかどうかわかりませんが、相手を
> 認識するということはどこに位置付けられるのでしょうか。どう認識するかという認識
> のルールが行動のルールの前にあるということでいいのでしょうか。認識は目に見える
> 行動ではないとして(魚の内部で起こっていること)位置付けないということになるの
> でしょうか。

僕も同感でしたが、お聞きする時間が無く、そのままにしていました。

> 他にもあんなことこんなこととたくさんありますが、また改めて。

お待ちしています。
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投稿者名:常見 真紀子
タイトル:満腹

> 盛りだくさんの内容と、豪華メンバーにクラクラの2日間でした。

常見さんをくらくらさせるのは容易ではないと思っていましたが・・

> 余吾さんに勧められてここ4ヶ月くらい桑村さんの本を嘗め回すようにネ
> チネチ読んで勉強中だったのですが、直接お話を伺えて夢のようでした。

何でもなく、彼は人間的には普通の良い方でしょう?僕はそう思っています。

> 今回、皆さんに直接お会いしてお話することができたので、これからは少
> しだけ気軽にBBSに書き込みができるようになったと思います。
> 皆さま、これからますますヨロシクお願いします!

こちらこそ



主催者の言葉 12/06/2006

以上の参加者の方々の意見と僕の返信とは無関係に、僕なりの意見・感想を書きます。

このセミナーを提案してから、毎日が楽しみでした。色々な人に出会えるというのと、旅行好きな僕はどこかへ出掛けると言うだけでワクワクします。しかし、やってみると、結構大変な幹事役でした。皆さんの中にドタキャンがなかったのが幸いでした。それから、携帯やメールの便利さを痛感しました。

でも、僕が思うに、メールは便利ですが、今ひとつ、心のない通信手段です。そのことを良く理解しないと電話には勝てませんね。僕は会ってお話しするのが一番、その次が電話だと思っています。メールでは行間を読むというセンシティヴな感性が産まれません。言葉尻ばかり追いかけがちです。

色々な方と連絡し合いました。今回のセミナーで電話代は3万円を超えました。でも、そのお陰で大きなトラブルもなく、無事に終えました。僕は電話が好きです。好きな方の声を聞くのは快感ですし、明白なのです。

いま、思い出します。八丈への飛行機の中で反芻している時、僕の頭の中を占めていたのは、会場での皆さんの動きです。声(話)は殆ど聞き取る余裕がありませんでした。かなり、カッカしていました。特に宿泊所に入って、「布団が足りない!」と騒がれた時は怒鳴ろうかと思いました。でも、自重しました。僕には珍しいことです。おそらく、それまでの流れが嬉しかったからだと思います。短気で名高い僕が切れないで我慢できたのは、皆さんが楽しんでいてくれたからだこそと思っています。

高校教員の時、中学校の理科教育の研究授業の参観に行きましたが、中学生はかなり活発に発言と発問をします。しかし、高校では、途端に皆が黙るのです。それは何故でしょうか?僕は、色々な地域から集まる集団では発言が小規模になると感じました。AUNJはどうでしょうか?確かに、常連さんが居て、その人の名前や雰囲気は良く知られていますが、そうではない人にとっては、初めての会合であり、出会いでしょう。それまではインターネットの上だけで知っているような、知らないような感じだったはずです。それをまとめ、参加や発言を求めるのはそうそうに簡単なことではありません。

僕が今、困り、戸惑うのは個人の差なのです。能力の差ではなく、意識の差や、発言する気迫の差です。それは今の学校と同じではないでしょうかね?僕は、時々、苦しく、辛かったクラス担任のような気持ちになります。

AUNJのセミナーが単位制で、参加希望者に明白な意図があり、開催する側に明白な開催の利益計算があれば簡単ですが、この場はそうではありません。設立当初はそんなことも考えていましたが、既に捨てました。今は、セミナーをやる以上、そこには双方向の意図や希望、そして、双方向のコストとベネフィットのバランスが成立することが大事なのだと実感しています。

参加者には楽しんで勉強して貰い、主催者もやりがいを感じ、そして、皆さんと同じくらい、良い意味でのショックを受けることは可能かも知れないと贅沢なことを考えます。工夫次第、参加メンバー次第なのでしょうか。そうも感じていますが、皆さんが積極的に関わって下さることを期待しています。

                        December 6, 2006 余吾 豊


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