改めて、「寄生虫では?」という目で見ると。 リボンはキタマクラの体表からぶら下がっているのではなく肛門から出ているように見えます。そして、明らかにリボンは2本あります。これは寄生性のカイアシ類のメスは長い卵嚢を二つぶら下げているのを連想させます。
「でも、本などで紹介されているカイアシ類は体表に喰らいつくタイプばかりだけどなあ」と疑問に思うものの、この時はここまででした。
そして、ここ1ヶ月ほどで一気に浅場に増えたクロホシイシモチの群を見ていた先週のこと。その中に混じっているネンブツダイがやはり白いリボンをぶら下げているのを見つけました。
05/22/05 富戸・ヨコバマ 水深7m 水温17℃
クロホシイシモチは全長約7cm
そこでしつこく追いまわしていると、ネンブツダイがプルプルッと体を震わせて逃げ出しました。その時、白リボンが矢印の付近でプツンッと切れたのです。僕は大慌てで、ポケットからビニール袋を取り出してそれを採取しました。そして、Ex後にそれを顕微鏡で見てみました。ちなみに、このリボンの表面には粘着性が少しあるらしく、顕微鏡下で位置決めをしようとするとあちこちにくっ付いて難儀しました。
これが白いリボンの正体なのですが・・う~ん、やっぱり訳が分かりませんねぇ。何かの抜け殻の細長い袋という風に見えます。またこの袋の中には何か青く輝く物が所々にあるようなのですが、その形をしっかり把握する事は出来ませんでした。更に、矢印で示した部分をはじめとして、何箇所かで体節(?)とでも呼んでよいような節が見られましたが、それも明瞭なものではありませんでした。
結局、更に謎を深めてしまっただけでした。今度は何とか水中でこの白いリボンを引き抜いて遣りたいところです。